暑い! っていうか熱い!



【では押し込む方向で。】

前ページでは、「余熱を引き抜く」という方向で検討してきました。
しかし、効果はゼロじゃないものの、予想していたよりは少ない。

そこで今度は、「冷気(とはいえタダの外気)を押し込む」という方向でのアプローチにします。


…カッコの割に効果はイマひとつ。

みなさん自車をご覧になると判りますが、ボンゴ/ブロ、バン/ワゴンを問わず、この車は非常にラジエターへの導風効率が良くないですね。形状的に。

まして、ラジエターはともかく、その後ろのエンジンルーム自体へ外気が入るかって言うと、これはノーマルではもうほとんど望みがありません。
溜まった熱は出て行かないし、それを冷ますような外気も入ってこられないのです。

というワケで、今度は外気をエンジンルームまで導いてやります。


【で、何を使う?】

今度の目論見としては、GTカーが使うような、アルミの筒状(蛇腹状)のホースのお化けみたいヤツ、アレを使ってバンパー下からエンジンルームまで外気を導いてやろう、っていう魂胆です。

ただし、ブロの「隙き間」をあちこち検討すると、通せるホースの外形は50mmが限度。これより太いと、隙間を縫ってエンジンルームへ入り込むことは不可能と思われます。

というワケでこの「アルミダクト(という名称らしい)」の直径50mmってのを探してあちこちのホームセンターを巡回しますが、これが見当たらない。
どのホームセンターへ行っても、置いてあるのは最も細いヤツで75mm。これではブロの隙間を通せない。
まあ、仕方ないので75mmのもちょっと買ってきときましたが…。

(ただし、製品としては存在するようです。例えば、カナフレックスカナアルミダクトなどには50mmラインナップがあります。リール(50m位?)単位の販売だそうですが :-P )


【さすがにダイソーには…】

というわけで、マットウなホームセンター経由の入手はあきらめます。
さすがにダイソーにこんなモノがあるワケはないので、困った時の解体屋へ赴きます。

かといって日本車ではこんなチャランポランなパーツを使ってるはずも無く、専用成型品ばっかなのは目に見えてますから、ガイシャを中心に使えそうなパーツを探します。

というわけで今回のターゲットはこちら

VOLVO 240GL。
モデルチェンジ前で85年式くらい?

このVOLVOから、これが採れます。

アルミ製(?)の蛇腹管1本。
径50mm位、長さ1mちょい位。最適。
VOLVOはエアクリからエアフロメータ(?)まで、
なんとこの管だけで繋がっている。大丈夫かよ。



これより後の年式のVOLVOには、コレが入っている。
やはり吸気関係。長さは半分くらい。
一部が二重構造だが大して意味はない。
ちなみに固定は刺さっているだけ。いいのかソレで?

5本で1050円の値付けでした。

…ちょいと高価いんじゃないか?


これらを適宜組み合わせて、バンパーの下あたりからエンジンルーム内まで引き込んでやります。
以上。あとは各自テキトーに。


【では管理人の実例】

というワケで、コレを組み合わせて作っていきます。


ラジエタ左の、この隙間から前方へ降ろす。


エンジンルームからラジエタ左を通って降りてきた50mm管。
このくらいで大体1mの長さを消費する。



バンパー下に75mm管を設置、そこから吸気。
ここはVOLVOの50mm管じゃなく、
市販の75mm管です。このくらいデカい方が迫力あっていい。

レースカーっぽいぞ。


写真上方のキレイな管が75mm、
向こう側のキタナイ方がVOLVOの50mm管。
当然、75mm管と50mm管が繋がるワケはないので、
潰して合わせてテープでグルグル巻きにする。
テープで固定してあるだけVOLVOよりマシかも。


【効果のほどは。】

さて、これでいよいよ走らせて効果測定と行きます。ただ、吸気位置はともかくとして、エンジンルーム内のドコに冷気を排出させるのか、これによって効果は大きく変わってきます。以下、管理人の試したレイアウトをいくつか。

なお、下表での「センサー部温度」は前ページのセンサー設置部(燃料フィルタ後部あたり)の温度が外気温よりどれだけ高くなっているか、また「サイドブレーキ」はサイドブレーキレバーを握った時に感じる温度、を意味しています。

また、「センサー部温度」については、60km/h前後で巡航時の、平衡温度です。停車時はどちらにせよ外気温プラス50℃以上になりますし、その後は一瞬ラジエタファンが回りますから、外気温+30℃程度まで下がります。そのまま60km/h巡航して落ち着いた時点での温度です。

状況(写真) センサー部温度

カッコ内は
気温約26℃の時の実測
サイドブレーキ コメント

ノーマル(写真省略)

プラス45℃程度

(70℃程度)

触っているのが嫌なくらい熱くなる。

こんなクルマはイヤだ。


燃料フィルタ付近まで延長

プラス35℃程度

(60℃程度)
ノーマルとほぼ変わらず熱くなる センサー位置での恩恵は意外に少ないようです。


サイドフレーム上部を走らせて開放

プラス15℃程度

(40℃程度)
ノーマルとほぼ変わらず熱くなる センサー位置温度で判断すれば、コレがイチバン効いてます。ただ、エンジンルーム内全般として判断した場合はどうなんでしょうね?


タイミングベルトカバー前で開放
(サイドブレーキレバー根部を狙う)

プラス30℃程度

(55℃程度)

全く熱くならない。
走行中にサイドに手を伸ばしても不快感がない。

ドライバーのコトだけ考えるんなら、これが最適でしょうな。運転席下を通って、エキマニ上を走り、右ダクトから排気されてると思われます。

センサー部でも、ノーマル比で10〜15℃の冷却効果はあります。


リザーバタンク前で開放

プラス25〜35℃程度

(50〜60℃程度)

まあ、ノーマルよりはマシ

60km/hで巡航していても、センサー部温度が一定しない。10℃ほどの幅で常時フラつく。

あと、不思議なことに、この配置だけは停車時の温度上昇が少ない。停車時で外気温+40度弱をキープできる。
その際、停車直後にバンパー下に作った「空気取り入れ口」を調べると熱を持っていることから、どうやら停車時はこのダクトが排熱用として作用しているらしい。

等々、非常に不可解なことの起こるレイアウト。

※但し、上記計測は風向き、風速、湿度、日光量等は一切勘案していませんので、あくまで参考値。


【まとめと課題】

間違いなく効果はあります。各自、ドコを冷やすか頭を悩ませてみては。
但し、ヘタな場所に冷気をあてた場合、エンジンが局部的に冷えることによって妙な歪みが発生したりする可能性も否定しきれません。
そこら辺は十分に注意して作ってください。

問題点としては、「停まっちまうとイミがない」の一言に尽きます。導風ったって、厳密にはRAMエフェクトに頼った受動的な導風ですからねぇ。どなたか、これを更に発展させて、何らかの強制導風って手段を編み出してくださいな。
(ラジエタファンが回る十秒程度の間に一気に温度が低下するところを見ると、ラジエタファンを電動化して、常時に近いくらい駆動させる、ってのも手かと思いますが…。(電動化しないで常時駆動させるとうるさい&燃費悪化する。))


【おまけ】
その1。
75mm管が余ったので、右側からラジエター前まで引っ張っといてやりました。もともとオーバーヒートするクルマじゃないんで良いんですけどね、気分的なものです。
その2。
ラジエターに当てる方はともかく、エンジンルームに引き込む方は、途中で50mmと細くなっているために万一何か妙な物が入り込んで詰まったらヤバいというコト、またエンジンルームに虫でもタカったらイヤなので、吸気部にメッシュを付けましょう。

というワケで再びダイソーへ。

この手のモノなら不自由しない。
今回は、「カス揚げ(小)」をセレクト。しかも18-8。

これをバラしてしまう。

ザル部分の外形は約80mm、
75mm管とちょうどマッチする。


手抜きでテープ止め。

剥がす方向への力は掛からないんで
まず大丈夫でしょう


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